- き
- I
き(1)五十音図カ行第二段の仮名。 軟口蓋破裂音(実際の調音点は前寄りになり硬口蓋に近い破裂音)の無声子音と前舌の狭母音とから成る音節。(2)平仮名の「き」は「幾」の草体。 片仮名「キ」は「幾」の草体の楷書化から。〔奈良時代までは上代特殊仮名遣いで甲乙二類の別があり, 発音上区別があったとされる〕IIき(助動)活用する語の連用形に付く。 しかし, カ変・サ変には, 特別の接続をする。 「き」の終止形はカ変には全く付かず, 連体形・已然形がその未然形「こ」・連用形「き」に付く。 また, サ変には, 終止形「き」がその連用形「し」に付き, 連体形「し」・已然形「しか」はその未然形「せ」に付く。 動作・事柄が過去にあったことを述べる。(1)話し手が直接に体験したことを回想して述べる。
「去年も見しに花面白かり〈き〉/蜻蛉(上)」「たれこめて春のゆくへも知らぬまに待ち〈し〉桜もうつろひにけり/古今(春下)」「佐保山をおほに見〈しか〉ど今見れば山なつかしも風吹くなゆめ/万葉 1333」
(2)直接に経験したことでなく, ただ, 過去にあったことを述べる場合にも用いる。「十月(カミナヅキ)雨間も置かず降りに〈せ〉ばいづれの里の宿か借らまし/万葉 3214」「沖つ風いたく吹き〈せ〉ば我妹子(ワギモコ)が嘆きの霧に飽かましものを/万葉 3616」
(3)上代には, 未然形に「け」があり, 「けば」「けく」などの形で用いられる。「根白の白腕(タダムキ)枕(マ)かず〈け〉ばこそ知らずとも言はめ/古事記(下)」「蓴(ヌナワ)繰り延(ハ)へ〈け〉く知らにわが心しぞいや愚(オコ)にして今ぞ悔しき/古事記(中)」
〔過去の助動詞「けり」が, 伝承した過去の事実を回想するのに用いられるのに対し, 「き」は話し手の直接体験した過去の事実を回想するのに用いられる〕IIIき(接尾)中古, 女子の名に付けて呼ぶのに用いられる。 童女の呼称に多い。IV「雀の子をいぬ~が逃がしつる/源氏(若紫)」
き【冀】(1)中国, 周代の国名。 今の山西省河津県。(2)中国, 河北省の別名。Vき【匹・疋】〔「ひき(匹)」の転か。 「ぎ」とも〕(1)布帛(フハク)の長さの単位に用いる。「幾~ともえこそ見わかね秋山の紅葉の錦/後撰(秋下)」
(2)助数詞。 馬を数えるのに用いる。「幾~の駒といかで知らまし/詞花(秋)」
→ ひき(匹)VIき【危】(1)あぶないこと。 危険。「仮令(タトイ)如何ばかりの~を犯し/日光山の奥(花袋)」
(2)二十八宿の一。 北方の星宿。 危宿。 うみやめぼし。VIIき【基】※一※ (名)〔radical〕化学反応に際し, 一つの分子から他の分子に一団となって移動したり, 化合物の化学的性質の原因となったりする原子団。 このうちイオンになる傾向のあるものを根と呼び区別することもある。※二※ (接尾)助数詞。 灯籠(トウロウ)・墓石など, すえ置くものを数えるのに用いる。VIII「石塔一~」
き【奇】普通と違っていること。 不思議なこと。 また, そのさま。「事実は小説よりも~なり」「岩の~なる姿を賞し/日光山の奥(花袋)」
~を衒(テラ)・う風変わりなことをして, 人の関心を引く。IXき【季】(1)一年を四つに分けた春・夏・秋・冬のそれぞれの時節。(2)連歌・俳諧で句に詠み込む四季および四季の景物。「~のない句」
(3)年月の区分にいう語。 一年を一季, 半年を半季という。Xき【寸】(1)古代の長さの単位。 のちの寸(スン)(約3.03センチメートル)とほぼ同じ長さ。「御身の長(タケ)九尺二(ココノサカアマリフタツ)~半/古事記(中訓)」
(2)馬の丈(タケ)を測るのに用いた語。 長さは「寸(スン)」に同じ。 標準となる四尺を略して, 四尺一寸を「ひとき」, 四尺二寸を「ふたき」, 三尺九寸を「返りひとき」などといった。XI「黒栗毛なる馬の, 丈(タケ)八~あまりばかりなる/宇治拾遺 7」
き【忌】(1)喪にこもる一定の日数。 いみ。 忌中。「~が明ける」
(2)死者の命日。 他の語と複合して用いられる。XII「一周~」「七回~」「桜桃~」
き【揆】方法。 やり方。~を一(イツ)にする〔孟子(離婁下)〕やり方を同じくする。 方法が同じである。→ 軌を一にするXIIIき【期】(1)ある一定の時期。 期間。 名詞や数詞に付いて, 接尾語的にも用いられる。「少年~」「第三~」
(2)〔age〕地質時代区分の最小単位。 世(セイ)を細分したもの。XIVき【木・樹】(1)木質の幹を有する植物。 低木と高木に分ける。 木本(モクホン)。 樹木。 たちき。「~の枝」
(2)製材した材木。 木材。「~の箱」
(3)(普通「柝」と書く)芝居や相撲などで用いる拍子木(ヒヨウシギ)。 開幕・閉場などの合図に用いる。~から落ちた猿(サル)頼りにするものを失ってどうしてよいかわからないことのたとえ。 木を離れた猿。~静かならんと欲すれども風止(ヤ)まず〔韓詩外伝「樹欲静而風不止, 子欲養而親不待矣」〕親孝行をしようと思うときには, すでに親はこの世にいない。 親が生きているうちに親孝行をせよとの戒め。 風樹の嘆(タン)。~で鼻を括(クク)・る〔「木で鼻をこくる」の誤用が一般化したもの。 「こくる」はこするの意〕ひどく無愛想にもてなす。 木で鼻をかむ。「~・ったような挨拶(アイサツ)」
~に竹を接(ツ)ぐ性質の違うものをつなぎ合わせる。 調和がとれぬことのたとえ。 木に竹。~にも=草(=萱(カヤ))にも心を置くささいな物事にも恐れおののくさまにいう。~に餅(モチ)がなる実際にありえないこと, 話がうますぎることのたとえ。~に縁(ヨ)りて魚(ウオ)を求む〔孟子(梁恵王上)〕方法を誤れば成功できないことのたとえ。~六(キロク)竹八(タケハチ)塀十郎(ヘイジユウロウ)木は陰暦六月に, 竹は八月に切るのが最もよく, 塀は一〇月に塗ると長持ちする, ということ。~を見て森を見ず事物の末梢的部分にこだわりすぎて, 本質や全体をとらえられないことのたとえ。XVき【杵】きね。XVI「此粉舂(ツキ)の女共, …~と云ふ物を提(ヒサゲ)て/今昔26」
き【柝】〔「木」と同源〕「木{(3)}」に同じ。~が入(ハイ)・る芝居・相撲などで, 開幕・閉場などの合図に拍子木が打たれる。XVIIき【柵・城】堀や垣をめぐらして内外を限り, 敵の攻撃を防ぐ建造物。 とりで。XVIII「筑紫の国は敵(アタ)守るおさへの~そと/万葉 4331」
き【棺】死体をおさめる木箱。 ひつぎ。XIX「空蝉(ウツセミ)のからは~ごとにとどむれど/古今(物名)」
き【機】※一※ (名)(1)事の起こるきっかけ。 機会。 機縁。「~を失う」
(2)飛行機。「~から, 降り立つ」「一番~」
(3)〔仏〕 仏の教えに出会うと, 触発されて発動する衆生(シユジヨウ)のもつ宗教上の潜在的能力。 機根。 根機。※二※ (接尾)助数詞。 飛行機を数えるのに用いる。「五~編隊」
~が熟・す物事を始めるのにちょうどよい時期になる。「決起の~・す」
~に乗(ジヨウ)・ずる事の推移をうまく見極めて, その状況に応じて行動する。「~・じて逃走する」
~に臨(ノゾ)み変に応ずその時機, その場に応じて, 適当な処置をする。 臨機応変。~に因(ヨ)りて法(ホウ)を説く仏教の真理は一つであるが, 相手の素質・能力に応じて適切な説法をする。~を見るに敏(ビン)好機を見きわめるのがすばやい。XXき【気】(1)生まれつきもっている心の傾向。 性質。 性格。「~が小さい」「~のいい人」
(2)物事に積極的に立ち向かう心の動き。 意欲。「~がはやる」「~のない返事」
(3)物事に引きつけられる心の動き。 関心。「彼女に~がある」「~をそそる」
(4)物事に対してもつ, または物事に影響を受けて変わる感情。 情緒。「~が沈む」「~が変わる」「~を楽にする」「~が滅入(メイ)る」
(5)外界を認識し, 外界と自分との関係を理解する心のはたらき。 意識。「~を失う」「~を確かに持つ」「~が狂う」「~が付く」
(6)物事をうまく運ぶために, 状況を的確にとらえる注意力。 配慮。「~が回る」「~を付ける」「~を遣う」「~にとめる」「~が散る」
(7)物事をなしとげるために心を支え動かす力。 気力。「~を挫(クジ)く」「~がゆるむ」「~は天を衝(ツ)く」
(8)ある物が含みもっていて, その物を生かしている目に見えないもの。 特に, 味わいや香りをいう。「~の抜けたビール」「樽(タル)に酒の~が残る」
(9)目には見えないが, 空間に立ちこめているもの。 精気。「山の~を胸いっぱいに吸う」
(10)その場に広がっている感じ。 雰囲気。「会場は厳粛の~に満ちている」
(11)(連体修飾語を受けて)(ア)これから何かをしようという気持ち。 つもり。「彼を助ける~はない」「これからどうする~か」「あそこから飛びおりる~だ」(イ)実際はそうでないのに, そうしたような気持ち。 つもり。 「死んだ~になって努力する」「天下を取った~でいる」(ウ)その時々の心の状態。 気持ち。 「ちょっといやな~がした」「さびしい~がする」
(12)漢方で, 血(ケツ)とともに体内の経絡を循行する生命力の根源とされるもの。 無形であるが, 有形の血と一体となって生理機能全般をつかさどるとされる。→ 血(13)宋学で, 「理」が万有を支配する原理であるのに対して, 万物を形成する元素を「気」という。〔「こころ」という語が精神活動を行う本体的なものを指すのに対して, 「気」はその「こころ」の状態・反応など現象的な面をいう傾向が強い。 「気は心」という言葉も, 表面的な「気」のはたらきは本体としての「心」の表れであるという考え方に基づく〕~が合・うその人の考え方や好みが自分に似ていて, うまく調子を合わせてつきあえる。~があ・る(1)関心をもっている。「彼はそのポストに~・る」
(2)恋い慕う気持ちがある。「彼は彼女に~・る」
~がい・い気立てがいい。 人がいい。~が多・いあれこれと心が移りやすい。 浮気である。~が大き・い細かいことを気にしない。 度量が広い。~が置けない気遣いする必要がない。 遠慮がない。⇔ 気が置ける「~ない間柄」~が重・いよくない結果が予想されたり, 負担に感じることがあって, 気持ちが沈む。⇔ 気が軽い~が勝・つ勝ち気である。 気性が強い。「~・った女」
~が利(キ)・く(1)よく心がゆきとどく。「~・かないやつだ」
(2)いきである。 しゃれている。「気の利いた服装」
~が気でな・い心配で落ち着かない。~が腐(クサ)・る不順を恨み沈み込む。 くさる。~が差・す気になる。 うしろめたい思いがする。 良心がとがめる。「不義理をしたので~・す」
~が知れない相手の考え・意図が理解できない。~が進まない積極的にそれをしようという気持ちになれない。 気乗りがしない。~が済(ス)・む満足して気分がおさまる。~がするそのように思う。 感じられる。「変な~した」「負ける~しない」
~が急(セ)・く心がはやる。 気があせる。~がそが・れる何かをしようという意気込みがくじかれる。~が立・つ感情がたかぶる。 興奮する。~が小さ・いささいなことを気にする。 小心である。~が散・る一つの事に注意が集中しない。 散漫になる。~が尽・きる気力がなくなる。 嫌気がさす。「小夜中のおしらべごと, 嘸(サゾ)かしお~・きるであろ/桐一葉(逍遥)」
~が付・く(1)考えが及ぶ。 気づく。「間違いに~・く」
(2)細かいところに注意がゆきとどく。「よく~・く人だ」
(3)意識が戻る。 正気に返る。「~・いたらベッドの中だった」
~が詰(ツ)ま・る気詰まりになる。~が遠くな・る(1)意識が薄れる。 ぼうっとなる。(2)物事の規模やありさまが並外れていて, 冷静な判断ができなくなる。「~・るような話」
~が咎(トガ)・める心の中でやましく思う。~が無・い関心がない。 興味を感じない。「~・い返事」
~が長・い(1)あんまりゆっくり構えすぎていて, 周囲の人をいらだたせる。(2)人の性格が忍耐づよく, 寛大である性分だ。~が抜・ける(1)張り合いがなくなる。 拍子抜けする。 また, 魂が抜ける。(2)飲み物などの風味がなくなる。「ビールの~・ける」
~が乗・るする気になる。「~・ったら徹夜もする」
~が早・いせっかちである。 性急だ。~が張・る気がゆるまないように緊張し続ける。~が晴・れる憂うつな気分がふき飛ぶ。~が引・ける気おくれする。 ひけめを感ずる。~がふ・れる気が狂う。 発狂する。~が減(ヘ)・るやきもきする。 気疲れする。「気の減るやうな事多し/浮世草子・禁短気」
~が紛(マギ)・れる憂うつな気分や退屈な気分が, 他のことをすることで忘れられる。~が回・る細かいところまでよく注意がゆきとどく。~が短・い(1)事の実現の遅れを待ちきれず, いらついたり, 催促したりする性分である。「~・い彼は, 信号の変わる前に横断した」
(2)忍耐強くなく, すぐに怒ってしまう性格である。~が向・くしようとする気になる。 乗り気になる。~が揉(モ)・めるあれこれと心配で, 落ち着かない。~が若・い年の割に気のもち方が若々しい。~に入(イ)・る好みにかなう。 心を満足させる。「この服が~・った」「世の中~・らないことが多い」
~に掛か・る心にかかる。 心配に思う。 気になる。~に掛・ける心配りをする。 心にかける。 気にする。~に食わない気持ちに合わない。 いやに思う。~に障(サワ)・る感情を害する。 不愉快に思う。「人の~・ることを言う」
~にする気がかりに思う。 心配する。「噂を~する」
~に留(ト)・める心にかける。 意識にのぼせる。~にな・る心にひっかかる。 気にかかる。~に病・む心にかけて気をもむ。 心配する。 悩む。「失敗をいつまでも~・む」
~の所為(セイ)⇒ 気の所為(独立項目)~の病(ヤマイ)⇒ 気の病(独立項目)~は心量や額はわずかだが, 誠意がこめられていること。 贈り物などをするときに用いる語。~は世を蓋(オオ)う〔史記(項羽本紀)〕気性の雄大なこと。 意気が盛んなこと。 蓋世(ガイセイ)。~を入・れる物事を熱心にする。「~・れて勉強する」
~を失・う(1)意識をなくす。 失神する。(2)気落ちする。「此の城を夜討に落して, 敵に~・はせ/太平記28」
~を落と・すがっかりする。 失望する。 気落ちする。~を兼・ねる遠慮する。 きがねする。「~・ねて詞をそらした/青年(鴎外)」
~を利(キ)か・せる相手の気持ちやその場の状況を配慮して行動する。 気を利かす。~を砕(クダ)・くいろいろと心配りをする。 心を砕く。~を配(クバ)・る方々に注意を払う。 あれこれ気を遣う。~を遣・う心配する。 あれこれ心遣いをする。~を尽く・す(1)精根をつかいはたす。 うんざりする。「おのづと~・しての手枕/浮世草子・一代男 7」
(2)精魂を傾ける。 熱中する。「後生の我等を導かんために, そくばくの~・せる古賢の心ざし/戴恩記」
~を付け⇒ 気を付け(独立項目)~を付・ける(1)注意する。 気をくばる。「火の元に~・けること」
(2)元気を回復させる。「此の人々なまじひなる事し出して敵に~・けつる事よ/太平記 30」
(3)気づかせる。「定めて忘れさせられた物で有らう, 立戻つて~・けて見う/狂言・抜殻(虎寛本)」
~を取られる注意をうばわれる。「話に~れて手元がくるう」
~を取り直・す元気を取り戻すため, 心のもち方を変える。「~・して仕事に励む」
~を抜・く(1)張りつめていた気持ちをゆるめる。「~・くんじゃないよ」
(2)びっくりさせる。 度肝を抜く。「からくりの太鼓に~・かれて/洒落本・辰巳之園」
~を呑(ノ)ま・れる相手に圧倒される。~を吐・く(1)威勢のよいことを盛んに言う。 気炎を吐く。(2)威勢のよいところを示す。「ひとり~・く」
~を張・る気持ちを引き締める。 心を緊張させる。~を引・く(1)それとはなしに相手の意中を探る。(2)相手の関心をこちらへ向けさせる。~を回・すあれこれと必要以上に気を配る。 当て推量したり邪推したりする。「万事に~・しすぎる」
~を持た・せる(1)思わせぶりをする。 気をもたす。「~・せた言い方」
(2)相手に期待を抱かせる。 気をもたす。~を揉(モ)・むあれこれと心配する。 やきもきする。~を許・す警戒心を解く。「決して~・すな」
~を良くする物事がうまく行って, いい気分になる。XXIき【牙】きば。XXII「~かみたけびて/万葉 1809」
き【生】※一※ (名)混ぜ物を加えていないこと。「ウイスキーを~で飲む」
※二※ (接頭)名詞に付く。(1)人手が加えられていない, もとのままである, 精製してないなどの意を表す。「~醤油(ジヨウユ)」「~糸」
(2)(性質や状態が)純粋でまじりけのない, 新鮮な, などの意を表す。XXIII「~娘」「~真面目」
き【癸】十干の第一〇。 みずのと。XXIVき【箕】二十八宿の一。 東方の星宿。 箕宿。 みぼし。XXVき【簋】中国古代の穀物を盛るのに用いた鉢形の器。 殷周時代の青銅製の祭器がよく知られる。XXVIき【綺】細かい綾文様のある薄い絹織物。 綸子(リンズ)の一種という。 かんはた。XXVII「桜の, 唐(カラ)の~の御直衣(ノウシ)/源氏(花宴)」
き【葱】ネギの古名。XXVIII「秋~のいやふたごもり/日本書紀(仁賢訓)」
き【記】(1)書き記したもの。「思い出の~」
(2)「古事記」の略。XXIX「~紀万葉」
き【貴】人を表す語に付いて, 敬愛の意を表す。XXX「兄~」「伯父~」
き【軌】車輪の通った跡。 わだち。~を=一(イツ)にする(=同じくする)(1)〔北史(崔鴻伝)〕先の車のわだちの上を行くように, 行き方が同じである。(2)〔中庸〕天下が統一される。→ 揆を一にするXXXIき【酒】「さけ」の古語。XXXII「み~」「相飲まむ~そ/万葉 973」
き【騎】助数詞。 馬に乗っている人を数えるのに用いる。XXXIII「武者三~」「一~当千」
き【驥】一日に千里を走る馬。 駿馬(シユンメ)。「~を学ぶは~の類ひ/徒然 85」
~も櫪(レキ)に伏(フ)す〔すぐれた名馬も厩(ウマヤ)につながれていては何もできないことから〕才能のある者が世に認められないで, 力を発揮できずにいる。XXXIVき【鬼】(1)死者のたましい。(2)おに。(3)二十八宿の一。 南方の星宿。 鬼宿。 たまおのほし。 たまほめぼし。XXXVき【黄】色の名。 絵の具, 印刷インクなどの三原色の一。 また, 虹の七色の一。 菜の花や向日葵(ヒマワリ)の花の色。 きいろ。~なる涙(ナミダ)多く獣類にいう語で, 人間の「血の涙」に相当するもの。「心なきしし, …~をぞ流しける/御伽草子・熊野」
~なる物小判の別称。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.